COLUMN
コラム
飲食店
2024.07.11
飲食店内装の色選びのコツ!売上に繋がる配色パターンと効果的な色の使い方
飲食店の内装における色選びは、店舗の成功を左右する重要な要素です。
適切な色を選ぶことで、顧客の食欲を引き出し、居心地の良さを演出できます。
一方で、配色が適切でない場合は、せっかくの料理やサービスの魅力が伝わりにくくなることも。
色の選び方一つで、売上やリピーター数に大きな違いが生まれると言っても過言ではありません。
本記事では、飲食店内装の色選びに関する具体的なコツや注意点を解説します。
「食欲を増進させる色」「居心地の良さを高める色」といった心理的な効果に注目しながら、効果的な配色テクニックをご紹介します。
また、業界で活用されている成功事例をもとに、読者の店舗づくりにも活かせる実践的なアドバイスをお届けします。
飲食店の内装を工夫したい方や、これからお店をオープンさせたい方は、ぜひ最後までお読みください。
飲食店の成功に直結する!色選びが与える影響
飲食店の内装において、色は単なる装飾の一部ではありません。
顧客の心理に影響を与え、店舗の売上やリピート率を左右する重要な要素です。
特に、食欲や居心地といった要素に直結するため、慎重に選ぶ必要があります。
ここでは、色がどのようにお客様の感情や行動に影響を与えるのかを具体的に解説します。
色が食欲に与える影響
色が食欲に与える影響は、心理学的にも証明されています。
色彩は視覚情報の一部として脳に働きかけ、食事の楽しさや美味しさを感じさせる効果があります。
飲食店では、この効果を活用することで、顧客の食欲を増進させることが可能です。
食欲を引き立てる色とは?
食欲を引き立てる色の代表例は、赤・オレンジ・黄色の暖色系です。
赤は食材の自然な色味とリンクし、視覚的に美味しさを引き立てます。
例えば、トマトや赤身の肉は視覚的な満足感を与える代表例です。
オレンジは温かみと親しみやすさを感じさせる色で、家庭的な雰囲気を作り出します。
黄色は注意を引く効果が高く、楽しげで元気な印象を与えます。
これらの色は、ファミリーレストランやカジュアルダイニングに特に適しています。
避けるべき色:食欲を抑える原因
一方で、青や灰色などの寒色系は食欲を抑える傾向があります。
自然界に青い食品が少ないことが、この心理的効果の背景です。
また、寒色系の色は冷たさや緊張感を連想させるため、リラックスした食事環境を妨げます。
特に、青色はダイエット向けの食器として活用されるほど、食欲を抑制する効果があります。
飲食店の内装では、これらの色を避けるか、控えめに取り入れることをおすすめします。
居心地を高める色選び
飲食店の内装において、色は顧客の居心地にも大きく影響を与えます。
居心地の良さを高めることで、滞在時間の延長やリピーターの増加を期待できます。
顧客がまた来たいと思う店舗を作るには、色選びの工夫が欠かせません。
居心地が良いとされる色とは?
居心地を高める色として、緑・ベージュ・ブラウンなどのナチュラルな色味が挙げられます。
緑はリラックス効果があり、自然な安らぎを提供します。
ベージュやブラウンは木材のような温かみを感じさせ、落ち着いた雰囲気を演出します。
これらの色は、カフェや和食店など、リラックスを重視する店舗で特に効果を発揮します。
避けるべき色、居心地を悪くする色
一方で、居心地を悪くするとされる色には、過剰に強い原色や黒が含まれます。
例えば、赤は刺激的すぎる場合があり、長時間の滞在を妨げます。
黒はシックで高級感がありますが、面積が多いと圧迫感を与える可能性があります。
また、白は清潔感がある反面、無機質で冷たい印象を与えることがあるため、他の色とバランスを取りながら使用することが重要です。
飲食店の内装に最適な色の選び方と配色テクニック
飲食店の内装を計画する際、色選びは成功への鍵を握る重要な要素です。
色が持つ印象や効果を理解し、適切に配色することで、顧客に魅力的な空間を提供できます。
ここでは、暖色系の色の効果や具体的な配色テクニック、さらに色を活かすデザインポイントをご紹介します。
暖色系の色が与える印象と効果
暖色系の色は飲食店の内装において特に活用される色味です。
赤やオレンジ、黄色などの暖かみのある色は、顧客の気持ちを明るくし、食欲を刺激します。
店舗のテーマやターゲット層に合わせて、これらの色を戦略的に使用することで、効果的な空間演出が可能です。
赤の効果:エネルギーを引き出す色
赤は視覚的に強いインパクトを持つ色です。
特に食欲を刺激し、料理を美味しく見せる効果があります。
また、赤はエネルギッシュで情熱的な印象を与え、活気のある店舗作りに適しています。
ファストフード店やバーベキュー専門店など、回転率を重視する業態で赤を使用すると、顧客が短時間で満足感を得やすくなるでしょう。
オレンジの効果:親しみやすく活気ある空間
オレンジは赤よりも穏やかで親しみやすい印象を与える色です。
温かみと安心感を提供し、リラックスできる空間を演出します。
家族向けレストランやカフェなどで使用すると、顧客が居心地良く感じる効果が期待できます。
オレンジは、長時間の滞在を促しながらも明るい雰囲気を保つ役割を果たします。
黄色の効果:温かみを感じさせる色
黄色は陽気で楽しい印象を与える色です。
特に子ども向けの店舗や明るい雰囲気を求める空間で効果を発揮します。
また、黄色は視認性が高く、注意を引きやすいため、看板やメニューのアクセントにも適しています。
ただし、過剰な使用は視覚的な疲労を招く可能性があるため、他の色とのバランスを考慮して取り入れることが大切です。
配色パターンでデザインを効果的に作り込む
内装の配色を考える際には、色の組み合わせに工夫を加えることが重要です。
特に定番の配色パターンを理解し活用することで、統一感のある魅力的な空間を作り出せます。
カマイユ配色:調和の取れた色使い
カマイユ配色とは、同じ色相で明度や彩度が異なる色を組み合わせる手法です。
統一感がありながらも単調になりにくいデザインを実現します。
例えば、薄いベージュと濃いブラウンを組み合わせると、ナチュラルで落ち着いた雰囲気が生まれます。
カフェや高級レストランなど、洗練された空間を求める場合に適しています。
ドミナントカラー配色:主役の色を決めるテクニック
ドミナントカラー配色では、1つの色を主役として選び、それを基調にデザインを進めます。
強いテーマ性を持たせることができ、ブランドイメージを明確に伝える効果があります。
例えば、緑を基調とした配色は、健康志向の店舗にぴったりです。
その他の色は補助的に使い、主役の色を引き立てる工夫をしましょう。
トライアド配色:バランスの良い色選び
トライアド配色は、色相環で等間隔に位置する3色を使用する方法です。
インパクトがありながらも安定感のあるデザインを作り出すことができます。
例えば、赤・青・黄色を使用すると、カラフルでポップな印象の店舗が完成します。
若年層をターゲットとした店舗やカジュアルな業態におすすめです。
色を活かすためのデザインポイント
配色だけでなく、色を活かすためのデザインポイントも重要です。
色の持つ効果を最大限に引き出す工夫を取り入れることで、内装の完成度を高められます。
食欲を引き出すための色選び
飲食店では、食欲を増進させる色を積極的に取り入れることがポイントです。
暖色系の色を中心に配色しつつ、顧客の目線の高さにこれらの色を配置することで、より効果的に食欲を刺激できます。
例えば、壁面やテーブルクロスに赤やオレンジを使用することで、視覚的に料理の美味しさを引き立てられます。
アクセントカラーをうまく使う方法
アクセントカラーを活用することで、内装に動きやメリハリを加えることが可能です。
例えば、白を基調とした空間に緑の植物や青の装飾品を配置すると、シンプルながらも印象的なデザインになります。
アクセントカラーの使用割合は全体の5%程度に抑えると、バランス良く仕上がります。
色使いの統一感を意識した空間作り
統一感のある空間を作るためには、配色に一貫性を持たせることが重要です。
メインカラー、サブカラー、アクセントカラーを明確に決め、それぞれの役割を明確にすることで、まとまりのあるデザインを実現できます。
例えば、メインカラー75%、サブカラー20%、アクセントカラー5%という割合を目安に配色を計画しましょう。
店舗内装で色を取り入れる際の注意点とポイント
店舗の内装で色を選ぶ際には、デザイン性だけでなく機能性や心理的な効果を考慮することが重要です。
適切な色使いは顧客の居心地を高め、購買意欲を促進する効果がありますが、不適切な色選びは逆効果となる場合も。
ここでは、内装で色を取り入れる際の注意点と成功の秘訣をご紹介します。
色選びで気をつけるべき注意点
色選びには、バランスや調和が求められます。
過剰な色使いや統一感のない配色は、顧客に落ち着かない印象を与えることがあります。
以下に具体的な注意点を解説します。
色使い過剰にしない!バランスが大切
内装に使用する色の種類が多すぎると、視覚的にごちゃごちゃした印象を与える原因になります。
理想的な配色は「3色以内」に抑え、メインカラー、サブカラー、アクセントカラーを明確に分けることがポイントです。
たとえば、メインカラー75%、サブカラー20%、アクセントカラー5%の割合を目安にすると、空間に統一感を持たせることができます。
また、派手な色を多用すると視覚的な疲労を招くため、柔らかい色調を基調にすることをおすすめします。
上部は明るく、下部は落ち着いた色に
色の配置によって、空間の印象は大きく変わります。
店舗の上部には明るい色を、下部には落ち着いた色を配置することで、視覚的な安定感を演出できます。
たとえば、壁や天井にクリーム色や淡いパステルカラーを使い、床や家具にブラウンやグレーを取り入れると、落ち着いた雰囲気を作り出せます。
特に狭い店舗では、明るい色を上部に用いることで開放感を演出できます。
周囲との色の調和を意識する
内装の色は、店舗内だけでなく、周囲の環境とも調和していることが重要です。
例えば、外観と内装の色を大きく異ならせると、顧客に統一感のない印象を与える可能性があります。
看板や家具、壁面の色を考慮しながら、全体的なバランスを保つことが必要です。
また、近隣の店舗や商業施設との調和も考慮し、ブランドイメージを損なわない配色を心掛けましょう。
内装業者選びと色使いのアプローチ
店舗の内装を成功させるには、色選びだけでなく業者との連携も重要です。
信頼できる業者を選び、色使いの提案やアイデアを活用することで、理想の空間を実現できます。
業者の色使いの考え方を理解する
内装業者によって、色使いの提案や得意分野は異なります。
事前に業者の過去の施工例を確認し、どのような配色が得意なのかを理解することが大切です。
業者がどのように色彩心理を活用し、空間演出を行うのかを事前に把握しておけば、スムーズなコミュニケーションが可能です。
また、業者との打ち合わせでは、自分のイメージや希望を具体的に伝えることも重要です。
業者提案の色使いのメリットを把握する
業者が提案する配色には、多くの場合プロの視点が反映されています。
特に色の組み合わせや空間の用途に合わせた提案は、素人には気付けないポイントをカバーしていることが多いです。
たとえば、明るい色と暗い色のバランスや、照明との相性を考慮した配色など、実際の運用に役立つアドバイスが得られます。
提案された内容は自分の意図に沿っているか確認しつつ、専門的な知識を活かしたアプローチを積極的に採用することをおすすめします。
おしゃれな飲食店内装を作るためのカラーパレットと施工事例
飲食店の内装において、色選びは店舗の印象を大きく左右します。
カラーパレットの選定次第で、高級感、清潔感、居心地の良さを演出でき、顧客の満足度を高められます。
ここでは、おすすめのカラーパレットと施工事例を基にした具体的な成功例をご紹介します。
おすすめカラーパレットと効果的な使い方
カラーパレットの選び方によって、内装のテーマ性や顧客の感じ方は大きく変わります。
以下に、高級感や清潔感を演出するための具体的な色使いをご紹介します。
統一感のあるカラーで高級感を演出する方法
高級感を演出するためには、色の統一感が重要です。
ダークブラウン、ベージュ、ゴールドなどの落ち着いた色味を基調にしたカラーパレットは、特に効果的です。
例えば、高級レストランでは、家具や壁に木材の深みを感じさせるブラウンを使用し、アクセントにゴールドの照明や装飾を取り入れることで、上品な空間を作り上げることができます。
さらに、同系色の濃淡を使い分けることで、単調さを避けながら調和の取れた内装を実現できます。
清潔感と開放感を感じさせる色の選び方
清潔感を重視する店舗では、白や明るいブルー、ペールグリーンが適しています。
特に白を基調とした内装は、空間を広く見せる効果があり、開放感を演出します。
例えば、カフェやベーカリーでは、壁を白で統一し、椅子やテーブルにペールグリーンを取り入れることで、清潔で爽やかな印象を与えることが可能です。
また、照明の色温度を調整することで、自然光に近い柔らかさを作り出すこともポイントです。
施工事例で学ぶ!色選びの成功例
実際の施工事例を通じて、色選びがどのように店舗の魅力を引き出すかを学びましょう。
以下に、業態ごとに異なる成功事例をご紹介します。
フレンチレストランの白を基調にした配色
フレンチレストランでは、白を基調とした配色がよく用いられます。
壁や天井を白で統一し、テーブルクロスや椅子にアクセントカラーを取り入れることで、洗練された空間を演出します。
さらに、ゴールドやシルバーのカトラリーを配置することで、高級感が際立ちます。
照明には暖色系のライトを使うと、柔らかさと上品さを兼ね備えた雰囲気を作り出せます。
和風店舗での落ち着いた色合いの活用例
和風店舗では、ナチュラルな色合いが重視されます。
例えば、木目調のブラウンやベージュをメインに、ポイントで深い緑を取り入れると、自然を感じさせる落ち着いた空間が完成します。
畳や障子などの素材感を活かすことで、伝統的で温かみのある雰囲気を演出できます。
さらに、間接照明を使い、陰影をつけることで、空間に奥行きを持たせることも効果的です。
カジュアルなバーでアクセントカラーを活かす方法
カジュアルなバーでは、鮮やかなアクセントカラーを効果的に使用することが重要です。
たとえば、壁の一部に鮮やかな赤や黄色を使い、視線を引き付けるデザインにすると、活気のある空間が生まれます。
さらに、カウンターや椅子に異なる色調を取り入れることで、遊び心のある雰囲気を作ることができます。
照明にはネオンライトやカラフルなライトを取り入れると、より個性的な印象を与えることができます。
まとめ
飲食店の内装における色選びは、店舗のテーマやコンセプトに直結します。
適切なカラーパレットを選び、統一感やアクセントを意識した配色を行うことで、顧客にとって魅力的な空間を作り出すことが可能です。
成功事例を参考にしながら、店舗の特性やターゲット層に合った色使いを心掛けることで、売上やリピート率の向上が期待できます。
この記事で紹介したポイントを参考に、理想的な飲食店内装をデザインしてみてください。
この記事を書いた人
青島 雅人
大学卒業してすぐ金型の図面作成の業務を経験後、住宅業界で6年(営業と現場監督)、店舗設計業界で8年経験し、100現場以上担当してきた一級建築施工管理技士 & 建築士。これまで細かい図面作成はもちろんのこと、現場管理をする上での職人さんへのコミュニケーションは欠かさず、しっかりと現場を管理してきており、様々な会社様が協力関係にある。また、これまでの経験から、住宅だけでなく、飲食店やサロンなど店舗の建築を任されることが多い。お店づくりや建築にあたっての不安やお悩みはご相談はお任せください。
大学卒業してすぐ金型の図面作成の業務を経験後、住宅業界で6年(営業と現場監督)、店舗設計業界で8年経験し、100現場以上担当してきた一級建築施工管理技士 & 建築士。これまで細かい図面作成はもちろんのこと、現場管理をする上での職人さんへのコミュニケーションは欠かさず、しっかりと現場を管理してきており、様々な会社様が協力関係にある。また、これまでの経験から、住宅だけでなく、飲食店やサロンなど店舗の建築を任されることが多い。お店づくりや建築にあたっての不安やお悩みはご相談はお任せください。