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店舗設備
2024.11.08
【知っておきたい!】店舗解体工事の種類と費用の相場!
みなさん、店舗の内装解体工事について、どれだけ知っていますか?
「内装解体って、何から始めればいいのか分からない…」そんな悩みを抱える方も多いのではないでしょうか。
実は、解体工事には内装解体、スケルトン解体、原状回復という3つの種類があります。そして、それぞれに特徴や費用が異なり、どの工事を選ぶかによって経費や工期に大きな影響が出るんです。さらに、工事が進む中で予期せぬ追加費用が発生することも少なくありません。これを知らずに進めてしまうと、予算オーバーになりかねないのです。
この記事では、店舗解体工事の基本を分かりやすくお伝えしながら、費用相場や注意点を具体的に解説します。皆さんの店舗に最適な解体プランを見つけるためのヒントをたっぷりご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください!
さあ、解体工事についての知識を深めていきましょう!
目次
店舗内装解体の種類とその特徴

店舗解体工事には、目的や条件に応じたさまざまな方法があります。代表的な3つの解体工事、内装解体、スケルトン解体、原状回復について、それぞれの特徴とポイントを詳しく解説します。
内装解体 — 壁や床を取り除く基本的な作業
内装解体は、店舗内の不要な内装部分を撤去する作業を指します。壁や床、天井といった内装部材の解体が主な内容で、必要に応じてカウンターや間仕切りなどの内部造作物も取り除きます。
- ポイント1: 解体範囲は事前に建物オーナーと相談して決めることが一般的です。
- ポイント2: 次のテナントの用途に合わせて、一部の設備を残すことも可能です。
- 適用シーン: 不要な内装を整理し、部分的に改装する場合に適しています。
内装解体は比較的簡単な作業ですが、取り壊し後の仕上がりを明確にイメージしておくことで、余計な費用を抑えられます。
スケルトン解体 — すべての内装を取り払い、自由な空間を作る
スケルトン解体は、店舗内の内装をすべて撤去し、建物の骨組み(躯体)だけを残す解体方法です。撤去後は、梁や柱、コンクリートの状態がむき出しになります。
- ポイント1: 内装や設備を一新したい場合に最適な解体方法です。
- ポイント2: 壁や床、配管などもすべて撤去するため、改装の自由度が高くなります。
- 適用シーン: 次のテナントが異業種の場合や大幅なリノベーションが必要な場合に多く採用されます。
スケルトン解体は、工事規模が大きい分、費用も高めですが、店舗を完全にリセットして新たなスタートを切りたい場合に最適です。
原状回復 — 元の状態に戻すための作業
原状回復は、賃貸契約時の状態に店舗を戻すための作業です。契約内容に基づき、改装時に加えた設備や内装を撤去します。
- ポイント1: 「どこまでが原状か」を建物オーナーと明確にすることが重要です。
- ポイント2: 元の状態が不明瞭な場合は、契約書や写真で確認する必要があります。
- 適用シーン: 賃貸契約で退去時に義務付けられていることがほとんどです。
特に原状回復では、オーナーや管理者との打ち合わせが欠かせません。不明点があるとトラブルになるリスクもあるため、事前の確認を徹底しましょう。
店舗解体工事には、それぞれの方法に応じたメリットと課題があります。まずは自店舗の状況や次の利用方法に合わせて、最適な解体方法を選ぶことが成功の鍵です!
店舗内装解体工事の費用相場と見積もりのポイント

店舗内装解体工事を進めるうえで、費用相場の把握と見積もりのポイントを押さえることが重要です。ここでは、解体工事の種類ごとの費用相場と影響要因、地域別の相場について詳しく解説します。
内装解体工事の相場とその要因
内装解体の費用相場は、1.5万円~4万円/坪が一般的です。この価格は解体する範囲や店舗の種類によって変動します。
- 相場を左右する主な要因:
- 店舗の業種(例: 飲食店、エステサロン、美容室など)
- 撤去が必要な設備(排気ダクト、厨房機器など)
- 解体面積と施工範囲
飲食店は厨房や排気ダクトの撤去が必要なため、相場が高くなる傾向があります。一方、一般店舗の場合は比較的低コストで進められることが多いです。
スケルトン解体の相場と工事内容
スケルトン解体の費用相場は、3万円~5万円/坪です。この解体方法は内装を完全に撤去し、建物の骨組みのみを残すため、工事内容が複雑になりやすいのが特徴です。
- 工事内容:
- 壁、床、天井、配管、設備の撤去
- 建物躯体の保護作業
- 廃材処理と運搬
次に入るテナントが異業種の場合や大規模なリノベーションが必要な場合に採用されます。撤去量が多いほど費用も増える点に注意しましょう。
原状回復工事の費用相場と注意すべき点
原状回復工事の費用相場は、1.5万円~2.5万円/坪です。これは賃貸契約時の状態に戻す工事を指し、特に賃貸物件では必須となることがほとんどです。
- 注意点:
- 賃貸契約書を確認し、元の状態を明確に把握する
- オーナーと解体範囲を十分に話し合う
- 不明瞭な点は写真や図面で確認する
契約内容や店舗の状態によって費用が異なるため、複数の見積もりを取得して比較することが重要です。
地域別解体費用相場シミュレーション
解体費用は地域によっても大きく異なります。都市部では人件費や廃材処理費用が高くなる傾向がありますが、地方ではこれらのコストが抑えられる場合もあります。
- 地域別費用の一例:
- 都市部: 坪単価が高め(例: 東京、大阪で約3.5万円~)
- 地方: 坪単価が比較的安価(例: 地方都市で約2.5万円~)
さらに、地域の廃材処理施設の有無や交通状況によってもコストが変動します。費用を正確に把握したい場合は、解体費用シミュレーションツールを活用するのがおすすめです。
費用相場を正確に理解し、適切な見積もりを取ることが成功への第一歩です。事前準備をしっかり行い、最適な解体プランを実現しましょう!
追加費用が発生しやすいケースとは?

解体工事では、予期せぬ条件や状況によって追加費用が発生することがあります。ここでは、特に注意が必要なケースとその対策について解説します。
重機が使えない狭い立地の場合
解体工事では通常、効率を上げるために重機を使用します。しかし、狭い路地や周辺建物が密集しているエリアでは、重機が使えず手作業が必要になる場合があります。
- 追加費用が発生する理由:
- 手作業による作業時間の延長
- 作業員の増員に伴う人件費の増加
対策としては、事前に現場の状況を詳細に調査し、必要に応じて手作業の費用を見積もりに含めるよう業者に依頼することが重要です。
アスベスト使用が判明した場合の追加費用
建物に**アスベスト(石綿)**が使用されている場合、撤去には特別な対応が必要です。アスベストは健康被害を引き起こすリスクがあるため、法律で厳しく規制されています。
- 追加費用の要因:
- 専門業者によるアスベスト調査・除去作業
- 安全対策(養生、飛散防止措置など)
- 廃棄物処理費用の増加
アスベストが使用されている建物の解体費用は、数十万円から数百万円追加されることがあります。2004年以前の建物の場合は特に注意が必要です。
夜間や早朝の作業が必要な場合
商業施設や住宅地などでは、近隣住民や周囲のテナントへの配慮が必要です。そのため、日中に工事ができない場合、夜間や早朝に作業を行うことがあります。
- 追加費用の要因:
- 作業員の深夜手当や早朝手当
- 作業時の騒音対策費用
夜間・早朝作業が避けられない場合は、時間外手当が含まれた見積もりを事前に確認するようにしましょう。
配管や特殊構造物の解体が必要な場合
飲食店や美容室など、特殊な配管や構造物がある店舗では、解体作業に手間がかかることがあります。
- 追加費用の要因:
- 配管の分解や撤去に時間がかかる
- 特殊設備(排気ダクトや厨房機器など)の撤去が必要
特に、老朽化した配管や隠ぺいされた構造物の場合、想定外の作業が増える可能性があります。事前の現地調査で、解体対象を細かく確認することが重要です。
残置物が多く処理が必要な場合
店舗に残置物(家具や家電、什器など)が多い場合、撤去や処分の費用が追加で発生します。
- 追加費用の要因:
- 残置物の数量や大きさに応じた廃棄物処理費用
- 大型家具や特殊廃棄物の運搬費用
依頼主があらかじめ残置物を処理しておくことで、追加費用を大幅に削減できます。リサイクル業者や不要品買取サービスを活用するのも一つの手です。
解体工事では、これらのケースによる追加費用が発生しないよう、事前の調査と十分な打ち合わせが不可欠です。適切な準備を行い、予算オーバーを防ぎましょう!
店舗解体を進めるための3つの重要ポイント

店舗解体を円滑に進めるためには、計画的な準備が欠かせません。特に以下の3つのポイントを押さえておくことで、トラブルを防ぎ、スムーズな進行が可能になります。
賃貸契約期限に合わせたスケジュール調整
賃貸物件を解体する場合、契約期限内に作業を完了させることが絶対条件です。これを怠ると、違約金や賃料の延滞費用が発生する恐れがあります。
- スケジュール調整のポイント:
- 解体工事の着工から完了までの期間を逆算し、余裕を持った計画を立てる
- 年末年始や繁忙期(12月~3月)を避けることでスケジュールの遅延を防ぐ
- 予期せぬトラブルに備えて予備日を設ける
解体業者と契約前に、具体的なスケジュールを確認し、余裕を持った計画を作ることが重要です。
解体業者選びで価格だけでなく信頼も重視
解体工事は大きな費用がかかるため、コストを意識することは当然です。しかし、価格だけで業者を選ぶのは避けるべきです。
- 信頼できる業者選びのポイント:
- 適正価格かどうかを判断するために複数の見積もりを比較
- 解体実績や口コミを確認して、業者の評判を把握
- 必要な許認可(建設業許可、産業廃棄物処理業許可など)を取得しているか確認
価格が極端に安い業者には、手抜き工事や違法処理のリスクもあるため、慎重に選びましょう。信頼できる業者を選ぶことが、安心して工事を進めるための第一歩です。
物件オーナーや管理者と事前にしっかり打ち合わせ
賃貸物件の解体では、物件オーナーや管理者との打ち合わせが不可欠です。解体範囲や工事内容が不明確だと、後々トラブルの原因になることもあります。
- 打ち合わせ時の確認事項:
- 賃貸契約書に基づく解体範囲の確認
- 原状回復の詳細条件(どの状態まで戻すか)
- オーナー指定の解体業者がいるかどうか
また、次の入居者が決まっている場合には、その仕様に応じた解体が求められるケースもあります。事前の打ち合わせを綿密に行い、全員の合意を得た上で工事を進めることが大切です。
以上のポイントを押さえることで、店舗解体をスムーズに進めることができます。計画とコミュニケーションを大切にし、解体工事を成功させましょう!
解体費用を賢く抑える方法とは?

解体費用は高額になりやすいため、適切な工夫や事前準備で費用を抑えることが重要です。ここでは、具体的な費用削減の方法を3つご紹介します。
自分でできる作業をし、費用を削減する
解体工事では、残置物の撤去や簡単な内装作業を自分で行うことで、業者に依頼する作業範囲を減らし、費用を抑えることが可能です。
- 自分でできる作業の例:
- 不用品の整理・処分(家具、什器、家電など)
- 壁紙やカーペットの剥がし作業
- 冷蔵庫や施術台などの大型家具のリサイクルや売却
解体業者に依頼すると、不用品は産業廃棄物として処理されるため、通常の廃棄物より高額になります。自治体の粗大ごみ回収やリサイクルショップを活用することで、コストを削減できます。
解体業者との価格交渉のコツ
解体費用を抑えるもう一つの方法は、業者との価格交渉です。適切な交渉を行えば、割引や追加費用の削減につながる可能性があります。
- 価格交渉のポイント:
- 追加作業の発生を防ぐため、契約前に工事範囲を明確にする
- 競合他社の見積もりを提示し、割引をお願いする
- 端数を切り捨てるよう依頼する(例: 100万円を90万円に交渉)
ただし、過度な値引き交渉は避けましょう。信頼関係を保ちながら、誠実な交渉を心掛けることで、より良い結果が得られます。
複数の業者から見積もりを取得して比較する
解体業者の選定時には、複数の業者に見積もりを依頼し、比較検討することが不可欠です。同じ条件でも業者によって金額が異なる場合が多いため、選択肢を広げることが重要です。
- 見積もり比較のメリット:
- 各業者の価格設定やサービス内容を把握できる
- 競合環境が生まれ、価格交渉が有利になる
- 信頼できる業者を選ぶための判断材料が得られる
一括見積もりサービスを利用すれば、効率的に複数の見積もりを取得することが可能です。最適な業者を選ぶことで、費用と品質のバランスを確保できます。
解体費用を抑えるためには、事前の準備と工夫がカギです。これらの方法を活用して、予算内で安心して解体工事を進めましょう!
店舗解体で失敗しないための2つのチェックポイント

店舗解体は大きな出費を伴うだけでなく、契約期限や工事内容のトラブルが起きやすい工程です。ここでは、失敗を防ぐために特に重要な2つのポイントを解説します。
最低限の費用で済ませたいなら安価な業者を避ける
解体費用を抑えたいと考えるのは当然ですが、極端に安価な業者には注意が必要です。安さを売りにしている業者の中には、違法行為や手抜き工事を行うケースもあるため、リスクを理解しておくことが重要です。
- 安価な業者のリスク:
- 廃棄物の不法投棄や適切な処理をしない場合がある
- 後から高額な追加費用を請求される恐れ
- 工事の質が低く、契約通りの原状回復がされない可能性
見積もりが極端に低い業者は避け、適正な価格で信頼できる業者を選ぶことが、安心して解体工事を進めるための第一歩です。
契約期限を守れる業者を選ぶことの重要性
賃貸契約の期限を守ることは、解体工事において最も重要なポイントの一つです。契約期間を過ぎてしまうと、延滞金や追加賃料が発生する場合があり、無駄なコストがかかる原因となります。
- 期限遵守のためのチェックポイント:
- 業者の過去の実績や評判を確認する
- 工事スケジュールを事前に詳細に打ち合わせる
- 解体業者が繁忙期に対応可能かどうか確認する
契約期限を守るためには、解体業者の選定時にスケジュール管理能力や実績を重視しましょう。計画的な準備が、トラブル回避の鍵となります。
まとめ
店舗解体工事を成功させるためには、事前準備と業者選びが重要です。解体費用を抑える工夫や追加費用が発生しやすいケースへの対策を知っておくことで、予算を効率的に管理できます。また、信頼できる業者の選定や契約期限の遵守がトラブルを防ぎ、スムーズな工事の進行を可能にします。
本記事で紹介した知識を活用して、最適な解体プランを選びましょう。そして、これから店舗解体を進める方が、無駄なく確実に計画を実現できることを願っています。解体工事は新たなスタートへの第一歩です!
この記事を書いた人

青島 雅人
大学卒業してすぐ金型の図面作成の業務を経験後、住宅業界で6年(営業と現場監督)、店舗設計業界で8年経験し、100現場以上担当してきた一級建築施工管理技士 & 建築士。これまで細かい図面作成はもちろんのこと、現場管理をする上での職人さんへのコミュニケーションは欠かさず、しっかりと現場を管理してきており、様々な会社様が協力関係にある。また、これまでの経験から、住宅だけでなく、飲食店やサロンなど店舗の建築を任されることが多い。お店づくりや建築にあたっての不安やお悩みはご相談はお任せください。
大学卒業してすぐ金型の図面作成の業務を経験後、住宅業界で6年(営業と現場監督)、店舗設計業界で8年経験し、100現場以上担当してきた一級建築施工管理技士 & 建築士。これまで細かい図面作成はもちろんのこと、現場管理をする上での職人さんへのコミュニケーションは欠かさず、しっかりと現場を管理してきており、様々な会社様が協力関係にある。また、これまでの経験から、住宅だけでなく、飲食店やサロンなど店舗の建築を任されることが多い。お店づくりや建築にあたっての不安やお悩みはご相談はお任せください。